女性客から愛される!     ライフスタイルマーケティング。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性生活者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けしています。

「ライフスタイル」ってなんですか。」③ライフスタイル研究が注目されてきた背景

ライフスタイルという言葉は、元々は社会学の分野で使われていた言葉で、人々の生活様式、行動様式、思想様式といった、あらゆる生活諸側面の歴史的、文化的、社会的、個人的、集団的、あるいは地域的な差異をトータルな形で表す言葉です。

◆米国でのライフスタイル研究の始まり

米国で、マーケティング分野で初めてライフスタイルの問題が取り上げられたのは1950年代終わりころになります。

W.Lazer(レイザー)という人が、マーケティング学者としていち早く「ライフスタイル」コンセプトを提唱し定着させました。レイザーは「ライフスタイルは、総合的かつ広い意味に解釈すれば、社会全体あるいはその一部のセグメントに特有な他から区別される特徴的な生活様式をさしている。それは、ある文化または集団の生活様式を表現し、かつそれらを他の文化や集団から区別するような独自の要素や特徴を意味している。ライフスタイルのパターンは、文化、価値観、シンボル、ライセンスなどの諸要素が影響した結果である。マーケティング分析の観点からすると、消費者が購入する財の総計や、それらの購買品の消費の仕方は、社会のライフスタイルを反映しているとみられる。したがって、日本人、アメリカ人等々と国別のライフスタイルの異なった段階にある集団ごとのライフスタイルというように述べることが論理的である。といっています。

次に、マーケティング分野で「ライフスタイル研究」が注目されだした背景を見ていきましょう。きっかけとなるのは、消費者の「物質志向」から「本当に質の高い生活志向」への転換があります。人間が欲求の一段高いところへのステップ・アップしていく過程の中で、従来の発想や分析では生活者の変化をとらえられないようになりました。そこで、生活の変化、過程にある消費者を的確にとらえて適合化機能、つまり消費者の欲求を満たすということをフルに発揮させようというライフスタイル発想がマーケティング分野に取り入れられたのです。

◆日本でライフスタイル研究でが注目され始めた背景

日本でも同じように1962年頃からライフスタイルが注目され始めました。その背景を見ていきますとまず一番目に「生活の質」志向社会の出現~つまり量から質への転換~ということがあげられます。1960年代の高度成長経済の反動(脱GNP)から、「人間性回復」「生活中心志向」への流れが変化していきました。そして1973年のオイルショックを契機にその流れは決定的なものに(公害論議、消費者運動が活発化)なりました。その結果、人々の関心の大きな変化が生まれました。具体的には、物的・量的充実を求める「生活中心主義」から精神的充実を求める「生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の追求へ。
・技術がリードする時代から生活がリードする時代への転換
・公害等の反動から、安全や健康に対して強い関心を持つようになったことがあげられます。

二つ目の背景としては、消費者志向から生活者志向への転換があげられます。つまり、経済的に豊かになることで、消費者の論理は大きく変化していったわけです。具体的には、消費者は、与えられたものを買うのではない。自分の快適な生活システムをコーディネイトするために、生活スタイルを選択するのであるという考え方です。そして消費行動は、必ずしも所得水準の高低で左右されるものではない。行動の背後にある、複雑な生活欲求構造によって大きく影響されるものである。商品そのものへの反応だけでなく、生活環境の汚染・破壊に対して反作用するのである。という考え方から、ライフスタイルが注目されはじめたわけです。

そして3番目は、それまでマーケティングの基本となっていた人口学的要因が限界にきて、新たなマーケティングセグメンテーションを再検討しなければいけない時期に来ていたということです。

つまり、戦後の経済的な繁栄とともに、新しい文化、社会通念が生まれ、定着していく中で、人間の行動は様々な特徴を示すようになってきました。つまり、価値観の多元化、生活行動の異質化に対して、マーケティング戦略を的確に適応させていかなければいけない時代になってきたわけです。そのためには、従来からの、性別・年齢・地域、職業、学歴、所得水準といった人口学的指標で細分化するだけでは不十分となってきたわけです。そして新しい指標として、消費者の欲求、価値観、パーソナリティ、生活空間、生活構造などを包括する概念としての「ライフスタイル」が新しい細分化の基準となってきたのです。

以上の3つの視点が日本においてライフスタイルが注目されてきた背景といえます。