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ポーラ・オルビスHDはなぜ業績絶好調なのか?

みなさんこんにちは、マーケターの和田康彦です。

以前に、「リンクルショット メディカル セラム」の大ヒットから学ぶ、女性マーケティングのヒント。http://www.happymk.net/entry/2017/06/08/140638

というタイトルで、ポーラ化粧品が今年の1月に発売した日本初のシワを改善する薬用化粧品が大ヒットしていることについて書かせていただきました。リンクルショット メディカル セラムは、発売1ヶ月で販売計画を大きく上回る約25万個、36億円を売上げを達成。上期トータルでは62万個と想定を超える売れ行きが続いています。2017年度の当初の販売目標を100億円に設定していたものの、1月~3月の売上が好調なことから125億円に上方修正。全売上の5%を占める大ヒット商品に育っており、この新商品効果もあって、2017年12月期の売上を期初より60億円プラスの2330億円に、また営業利益は25億円プラスの335億円に上方修正するといった内容でした。その後、7月27日には、売上を2360億円、営業利益を365億円にとさらに上方修正しています。

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ポーラ・オルビスホールディングスは7期連続の増収増益を達成しており、今期の増収増益も確実になってきました。業績好調の背景には、創業者の孫でポーラ化粧品本舗の社長を経て、ポーラ・オルビスHDの社長に就任した鈴木郷史氏らマネジメント層の地道な経営革新があると言われています。2011年以降は、基幹ブランド、ポーラとオルビスの原価改善を徹底して収益を改善してきました。商品開発やリニューアルの度にパッケージや内容物を見直したり、販管費の伸びを抑えることで、2015年以降営業利益率の大幅改善を実現しています。また、若年層を取り込むことに成功した「ポーラ・ザ・ビューティ」ショップは、2016年末には647店に拡大し新たな販売チャネルの確立にも成功しています。さらに歴史あるポーラレディ(現ビューティー-ディレクター)は2016年に少数精鋭化し、13万人から4万人にまで絞り込んでいます。以前は地味でつまらない会社と言われていた同社は、今では経営陣が目指す「面白いことをやってるね」と言われる会社に大変身を遂げたのです。

 

今日は、日経トレンディで連載中の「経営トップが磨く“勘と感”」の中で、鈴木郷史社長が語っていた言葉からポーラオルビスホールディングスの経営革新の背景にある考え方をみてみたいと思います。

 

◆ビジネスマン能力より「人間力」が大事!

鈴木社長が重視しているのは社員の人間力です。企業会計やマーケティング、法務や組織運営力、分析力、交渉力といったビジネスマン能力よりも、倫理、社会常識、教養、直感、好奇心、想像力、自己の目による意味・価値判断といった人間力こそが最も重要な経営資源と考えています。人間力が重要と考える背景には「うちの会社には4000人位の社員がいるのですが、4000通りの見方、4000通りの考え方、4000通りの行動がなければ4000人いる意味はないと思っているんです。」という発言からも理解できるように、個の能力を発揮するためには個人としての人間力が問われるという考え方があることがわかります。

 

◆企業には変な人、異分子みたいな人が絶対必要

鈴木社長は、企業には変な人、異分子みたいな人が絶対必要とも言っています。「変な人は変なことをどんどんして他の社員の刺激になってほしい」「視野が広いとか好奇心が強いといった変な人がいないと企業の未来を切り拓くことはできない」という考え方の元、競合他社がやらないことを評価軸のひとつにしているそうです。

 

◆遊ぶように楽しく仕事をしよう

鈴木氏は、「遊ぶように楽しく仕事をすることを社員がやってくれたらうれしいを思います。仕事は甘くないが、つらいだけではナンセンス。もっと自由にやってよい」とも語り、独自の仕事感を語っています。

 

◆新たな理念を掲げて「面白いことをやっている会社」を目指す

ポーラ・オルビスHDが掲げる新たなグループ理念は、Missionとして「感受性のスイッチを全開にする」、Visionとして「ブランドひとつひとつの異なる個性を生かして世界中の人々の人生を彩る企業グループ」、さらにこれらを実現する5つの行動指針となるWayを掲げています。このミッションには、化粧品やサービスだけでなく、様々な体験、情報、文化、アートなどの独自価値の提供を通じて、人々の感受性を刺激し、人生を変えるほどのきっかけを与える存在になりたい、という思いが込められています。そのためにはまず自分たちが常に感受性と個性を磨き、輝き続ける、という決意の表れといえます。

 

ここまでみてきたように、ポーラ・オルビスHD好調の背景には、商品力や販売力の強さはもちろん、それらを支える素晴らしい企業フィロソフィーが人間の背骨のように脈々と息づいていることがわかります。