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共働き世帯の増加が新たな時短市場を生み出す。

みなさんこんにちは、マーケターの和田康彦です。

 

今日も前回に引き続いて、総務省統計局「平成27年国勢調査 ライフステージでみる日本の人口・世帯」から気になる調査結果をみていきましょう。

 

今日のテーマは「共働き世帯の増加」です。まずこちらのグラフをご覧ください。

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共働き世帯の割合の推移をみると、昭和55年から一貫して増加していることがわかります。特に平成22年から27年の5年間の推移をみると、59.8%から64.4%と4.6ポイントの大きな伸びがみられます。

 

共働き世帯が増加している背景には、男性の収入の伸び悩みから、家計の収入を補ったり増やすために女性が働かざるを得ない状況になってきたこと。また、女性が働きやすい環境が整ってきたことや社会の意識が変化したことで女性が働くことが当たり前の世の中になってきたことなどが考えられます。

 

次にこちらのグラフをご覧ください。

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女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合)は,結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇するという,いわゆるM字カーブを描くことが知られています。ただ近年は,M字の谷の部分が浅くなってきていることがわかります。総務省の2017年7月の調査によると15~64歳人口に占める女性の労働力の割合(労働力率)は69.7%で、働く女性は着実に増加。年代別ではM字の谷に相当する35~44歳の労働力率が前年同月比0.7ポイント増の75.3%。10年前の2007年7月と比べると全ての年代で上昇し、全体的に底上げされています。

 

◆共働き世帯の増加によって拡大する「家事代行サービス」

共働き世帯の増加によって、お風呂や台所の掃除などをしてもらえる家事代行サービスの利用が広がっています。利用増の背景には、各社が代行内容を絞り込んだりサービス頻度を減らすことで利用料金を割安にして利用する側のハードルを下げることに取り組んでいることがあります。業界大手のベアーズでは、代行内容を風呂やトイレなど水回り4ヶ所の掃除に絞り、頻度を隔週にしたプランを1万2000円程度で提供。またイオン系のカジタクでは、定期契約以外で特定の日時や場所を指定して掃除を代行してもらえるサービスを提供しており、6000円で頼めるベランダ掃除が人気です。

 

◆中食や惣菜市場も拡大傾向

富士経済によると2016年の国内中食・惣菜市場は5兆8713億円と前年比3%増加。家庭で料理をすると食材が余りやすい高齢者世帯や単身世帯、料理をする時間の確保が難しい共働き世帯の増加を背景に勢いが増しており、2020年には6兆2336億円まで拡大する見込みです。ちなみに「中食」とは、レストラン等へ出かけて食事をする外食と、家庭内で手作り料理を食べる「内食」の中間にあって、市販の弁当や総菜、家庭外で調理・加工された食品を家庭や職場・学校・屋外等へ持って帰り、そのまま食事をすること。また、その食品の総称のことをいいます。

 

◆食材と調味料をセットにした「ミールキット」が人気

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下ごしらえした食材と調味料をセットにした「ミールキット」が広がっています。高級スーパーの紀ノ国屋では、三井物産と組みこの秋からインターネット通販をスタート。またオイシックス大地ではローソンと組んで店頭販売を始める計画です。ミールキットは米国で普及。簡単調理で家事の時短につながるために日本でも共働き世帯の需要を捉えて拡大していきそうです。仕事から帰宅後、夕食の調理で手間をかけたくない働く女性の増加がミールキット拡大の背景にあります。

 

◆家電も共働き世帯がターゲット

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パナソニックは2018年3月に創業100周年を迎えるにあたって発売する13種類の家電製品を発表しました。スマートフォンで外出先から操作できるななめドラム式の洗濯乾燥機は、衣類の重さなどから洗剤や柔軟剤を自動で投入できるのが特徴。またロボット式掃除機「ルーロ」は人工知能を進化させ、レーザーセンサで機能を高めるなど、全体的に共働き世帯向けの商品を充実させています。

 

◆イケアジャパンは都市部に小型店を出店

家具小売大手のイケア・ジャパンは、今後は人口が多く交通利便性の高い繁華街にも出店していきます。ライス社長は「共働き世帯の増加などで日本人はとても忙しくなっている。よろ便利に買い物してもらいたい」と都市部への出店強化の理由について語っています。

 

◆各社から時短商品が次々発売されています

日本ロレアルは髪の毛を洗う時間を短縮できるヘアケア商品を発売しました。シャンプー、コンディショナー、トリートメントの機能をひとまとめにして洗髪時間を短縮できることが特徴。ターゲットは働く25~35歳の女性です。共働き世帯が増える中、家事や身だしなみにかける時間を短くしたいというニーズが強まっていることを背景に開発されました。

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ライオンは、洗った食器が素早く乾く「マジカル速乾プラス」を発売。従来品は10分以上かかっていたものを30秒に短縮することに成功しました。

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花王は短い時間で温浴効果のある「バブ」の改良新製品を発売。共働き世帯など、湯船につかる時間がとれない忙しい人向けの商品として開発されました。

 

化粧品でも化粧水や乳液など複数の機能をひとつにした「オールインワン」スキンケア商品の売行きが好調です。中でも、ちふれ化粧品の「ちふれうるおいジェル」は6つの機能を持ち、肌の手入れの時間を短くでき、働く女性や子育てに忙しい20~30代の女性に人気を集めています。16年度の出荷数量は15年度と比べて約3割も増ました。

 

こうした時短や家事の省力化の流れは、食品業界にも広がっています。サトウ食品工業のパック米飯「サトウノゴハン」の売上は年間二桁増で推移しています。

 

以上みてきたように共働き世帯の増加によって、家事や身だしなみの時短や省力化を実現する新たなマーケットが次々に生まれていることがわかりますね。この分野はまだまだ未充足のマーケットです。これからは、働く女性の豊かなライフスタイルを応援することが、幸せな女性の未来を創造します。