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ドラッグストアが溢れる時代に、クスリのアオキはなぜ急成長しているのか?

みなさんこんにちは、マーケターの和田康彦です。

 

このところますます存在感を高めているドラッグストア業界ですが、今や飽和状態といっても良いくらいお店が乱立しています。また、大手企業のM&Aによって小中規模チェーン店の淘汰が進み、競合各社の競争は激化しています。

 

◆ドラッグストア業界は首位が入れ替わる戦国時代

2016年度の売上では、イオングループのウエルシアホールディングスがマツモトキヨシホールディングスを抜き22年ぶりに首位の座が交代しました。さらに、2017年8月7日には、ツルハホールディングスが、静岡県が地盤の同業、杏林堂薬局(浜松市)を子会社化すると発表。9月下旬に親会社の杏林堂グループ・ホールディングスの株式を、創業家などから51%取得することで2016年度の合計売上高は6665億円となり、ウエルシアホールディングスを抜いて首位になることが明らかになりました。このようにドラッグストア業界は、まさに戦国時代といえます。

 

◆北陸を地盤に堅実に成長する「クスリのアオキ」

そんな中、北陸を地盤に堅実に成長しているのが、株式会社クスリのアオキです。先日、石川県に帰省した際、お店を覗いてきましたのので、成長の秘密をレポートしたいと思います。

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クスリのアオキは石川県白山市に本社を置き、北信越(石川、富山、福井、新潟、長野)を中心に、群馬、岐阜、滋賀、愛知、埼玉にお店を持つ中堅のドラッグストアチェーンです。1985年1月に設立。もともとは、明治初期に創業した町の薬種商が原点で、会社設立から今年で32年。2017年5月期の売上高は1887億4400万円、営業利益は106億7600万円と北陸を基盤とする超優良企業です。北信越地区を中心中心したドミナント出店戦略で386店舗を展開。店舗面積はドラッグストア業界の常識を超える平均300坪もあり、他店と比べると売場の広さに特徴があります。

 

◆クスリのアオキのふたつの経営方針

ところで、クスリのアオキには大切にしているふたつの経営方針があります。まず、ひとつめが「便利なお店づくり」。お客様の身近にあって、必要なものが一回で揃うことを目指しています。そのため、出来るだけ来店しやすい場所に出店し、お客様のライフスタイルに合わせた日用品や惣菜、生鮮食品といった食品部門を強化するなど、店舗を常に進化させることに取組んできました。

 

次に大切にしているのが、「専門性を追求した店づくり」です。セルフケアへの関心の高まりを背景に、ドラッグストアには地域医療の窓口としての役割が求められています。そのために、地域医療の一翼を担う「かかりつけ薬局」として気軽に薬剤師に相談できる体制を整えています。

 

◆「ドラッグストア×スーパーマーケット」の新業態店が成長を支える

さて。ここからが本題です。私が訪れたクスリのアオキ山代店は、一歩足を踏み入れると広い店内はほぼ2分されていて、右側にはまるでスーパーマーケットのような食品売り場が、そして左側にはお薬や化粧品、シャンプーなどの日用品のコーナーが広がっていました。

 

いちばんの驚きは、食品スーパーマーケットのような品揃えの豊富さです。入口近くには生野菜や果物のコーナーがあり、奥に行くとお肉やお魚のコーナーもあります。また、出来立ての弁当や総菜、冷凍食品も充実しており、菓子類や加工食品、調味料等の品揃えも負けてはいません。クスリのアオキでは、お客様の便利さを追求した結果、2012年からは野菜の販売をスタートし、2014年からは肉や魚の販売にも広げてきたのです。

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冬は曇天続きで雪の多い北陸に暮らす人にとって、食べ物から化粧品や日用品、お薬までを一軒で買物できるお店はとてもありがたいものです。クスリのアオキはそんな北陸に住む人の潜在ニーズに応えてこの20年間で大きく成長してきました。

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◆もはやドラッグストアとは言えない売上構成比

1999年には約100億円だった売上高は、2010年には約500億円、そして2014年に1000億円と突破。2017年5月期には1887億円超と急拡大。売上構成をみると、ヘルス(医薬品・健康食品等)が237億1200万円(売上構成比12.6%)、ビューティ(カウンセリング化粧品、フェイスケア商品等)は、344億5800万円(同18.3%)、調剤(薬局で処方する医療用医薬品)が186億4200万円(同9.9%)となっていますが、売上の約6割を占めているのがライフ(食品・家庭用品等)の1119億3100万円(同59.3%)となっています。つまり、スーパーマーケット並みの食品や家庭用品の品ぞろえの強化こそがクスリのアオキの成長を支えてきたことがわかります。

 

◆地元住民から愛されることが生き残りの条件

ドラッグストアー×スーパーマーケットの新業態店は現在26店舗。今後は、既存店舗の改修や新店舗の出店に合わせて新業態店が増えていくことが予想されます。地元住民のニーズを満たすきめ細かな品ぞろえや店づくりによってお客様から愛されることが、クスリのアオキの大いなる強みなのです。