女性客から愛される!ライフバリューマーケティング。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性生活者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けしています。

くらしのテーマパーク、無印良品イオン堺北花田店にみる、新たなライフスタイル創造。

みなさんこんにちは。ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

さて、株式会社良品計画は、2010年にオープンした「無印良品イオンモール北花田店」を移転増床し3月20日にリニューアルオープンしました。同店は、無印良品で初めてとなる“食”をテーマとした大型専門売場や、飲食業態「Café&Meel MUJI」、フードコートなどを導入し、全体で4300㎡を超える世界最大の売場となっています。4300㎡という広さは、標準店の約5倍、改装前の11倍という驚きの空間です。

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3月20日のオープン初日、私も早速、神戸から北花田まで約1時間半をかけて新しいお店を見てきました。イオンモール堺北花田は、地下鉄御堂筋線北花田駅を出てすぐのところにあるので、立地的にはとても便利なところにあります。

 

当日は平日ということもあり目立った混雑もなく、モール自体もリニューアルオープン初日とは思えないほど人影もまばらな印象でした。ただ、無印良品だけは入場制限をしており、店内に入るまでには15分ほどかかりました。とはいえ、店内に入ってみるとそれほど混雑した風でもなく、比較的ゆったりと買い物が楽しめました。

 

◆注目は、無印良品初となる「食をテーマにした大型専門売場」

店内に入るとまず天井の高さに驚かされます。広さと高さに恵まれた開放的な空間は、まるで外国の青空マルシェに来たようなワクワクした気持ちにさせてくれます。そして入ったすぐ右側には食事やお茶を楽しめる「Café&Meel MUJI」があり、その奥に、青果、鮮魚、精肉、総菜、加工品や日本酒、ワインといった食関連のコーナーが広がっています。

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無印良品では以前から、衣・食・住という生活の基本の中でも、「食」は最も基本的な営みであり、なくてはならない領域だと考えてきました。これまでにもレトルトカレーをはじめ、パスタやスープ、調味料などを次々に開発。今では主力商品のひとつとして、好業績を牽引する商材に育ってきています。また、主力店では、無印のこだわりを感じるデリやデザート、ドリンク類やパンを店内で手軽に楽しめる「Café&Meel MUJI」の併設にも力を入れて、早くから「コト消費」にも取り組んできています。

 

今回の食の大型専門売場の開設は、無印の食に対する強いこだわりと思いがカタチとなり、顧客が生産者や生産現場とのつながりや交流を通じ、食べ物と人との関係を再度見つめなおすきっかけとなることを目指しています。実は昨年の7月には東京の無印良品有楽町で野菜や果物の販売をスタート。今回の北花田店は、テストマーケティングを終えての本格展開となります。

 

◆こだわりは、「産地直送、旬、地元産、生産者と一緒に開発」。

私が行った日はオープン初日ということもあり、開店記念の特価品がたくさん店頭に並び、主婦がうれしそうに品選びをしていました。特に野菜はこのところ高騰が続いていましたので、和歌山産の大きな新キャベツが128円(税込)、愛知産のブロッコリーが108円(税込)、熊本産竹の子1本498円(税込)など、新鮮な野菜が飛ぶように売れていました。また、生産者の顔が見える野菜や有機野菜も豊富に品揃えされています。

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青果売場の横には、レトルトカレーなどの食品類、その奥には焼き立てパンのコーナー、そして足を進めると大きな鮮魚コーナーがあります。こちらでは、境港から直送されたはたはたや甲イカ、長崎産ののどぐろ、徳島産のほうぼう、こち、太刀魚、黒鯛、鳥取産のアワビ、石川産の甘エビ、大阪産の天然真鯛やハリイカなど、産地から直送された旬の魚がカウンターにずらりと並び、威勢の良い呼び声とともに対面販売されていました。地元の岸和田港や泉佐野港で水揚げされた鮮魚も充実しており、まさにつくる人と食べる人がつながる市場を実現しています。もちろんカウンターの後方には調理場があり、希望に合わせてさばいてくれるので、魚の調理が苦手な女性でも旬の美味しい魚介類が楽しめます。また、調理済みの刺身や寿司も充実。オーダーを受けてその場で作ってくれる海鮮丼のコーナーもあります。

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さらに奥に進むと、精肉コーナーになります。こちらは対面コーナーとセルフコーナーで展開。産地直送の沖縄あぐー豚や生産者と直接開発した宮崎県産黒毛和牛「宮崎ハーブプレミアム」、北海道産牛肉「ホルスタイン」など無印良品ならではの商品が品揃えされており、この日は、宮崎県産豚肉高城の里など開店特価品がよく売れていました。

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精肉コーナーの隣には、総菜コーナーが続きます。こちらではローストチキンや焼き鳥など出来立ての総菜が充実。働く女性や独り暮らしの人にはうれしい品揃えになっています。また注文に応じてコロッケやメンチカツを揚げてくれるうれしいサービスもあります。日本惣菜協会によると2016年の総菜の市場規模は9兆8399億円で前年から2.7%増加。共働き世帯や単身高齢者の増加で、拡大基調にある有望な市場となっており、無印良品にとっても今後注力していくことが予想されます。

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加工食品では、無印良品のコンセプトに基づいて開発したオリジナルの「国産素材を使っただしパック」や「乾燥野菜 国産ひじきの五目ミックス」「発酵ぬかどこ」など料理の基本となる約30アイテムの販売をスタート。また、堺で育まれたうまいもんのコーナーがあり、地元密着の姿勢も好感をもてました。

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◆売場中央にはガラス張りのキッチンとフードコート。食のライブ感を演出。

中央のガラス張りのキッチンの横には48席分のフードコートが用意され、手作りのヨーグルトやカレー、海鮮丼をその場で食べることもできます。特に力を入れているのがヨーグルト。関西圏で採れる牛乳にこだわり、店内で製造しているため、出来立てを楽しめます。またキッチンをガラス張りにすることで、作る人と顧客が調理している時間を共有することができ、ワクワクしながら出来上がりを待つことができます。メニューも「ジビエカレー」や「トムヤンクンのフォー」「豆乳ヨーグルト」など無印流のこだわりが光っています。

 

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◆顧客との対話の場を目指す空間、「Open MUJI

無印良品が考えていることを提案し、顧客や地元で活動するクリエイター、生産者、シェフ、編集者など様々な人と考え、会話し、活動する空間が「Open MUJI」です。私が行った日には、写真家 公文健太郎氏の写真展「耕す人」が開催中で、同時に公文氏とノンフィクションライター菅聖子さんとのトークイベントが開かれていました。会場には多くの人が集まっていて、新たなコミュニティの誕生を予感しました。今後は、「食」をテーマにしたイベントを各種予定しており、無印の「食」に対する思い入れが改めて伝わってきます。また、食に関する本や雑誌も多数品揃えされており、まさに「食のテーマパーク」といっても過言ではありません。

 

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◆くらしの相談に応えるプラットフォーム「MUJISUPPORT」をスタート

無印良品堺北花田では、食の充実とともに、くらしに関する様々な困りごとに応えるためのサポートサービスにも力を入れています。新たに新設された「MUJISUPPORT」では、専用のカウンターを設置。「取付施行サービス」「無印良品のパーツ」「オーダー家具の相談」「サイズオーダーサービス」「くらしの収納相談」「部屋づくり相談」「家具転倒防止サービス」「無料採寸サービス」7つのコンテンツを用意。例えば、空いたスペースにちょうど良く収まる棚がほしい時や割れてしまったポットの蓋だけを新しくしたい時など、大きなことから小さなことまで、顧客の「できたらいいな」や「こうしたい」を専門のアドバイザーがサポートしています。私たちが日ごろ抱えている生活課題に対して耳を傾け、顧客と一緒になって丁寧に解決していこうという姿勢が読み取れます。そして生活していくうえでの様々な「不」の情報を吸い上げることで、新たな商品やサービスの開発につなげていくのだと思います。

 

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◆開放的な空間を生かした、魅せるビジュアルプレゼンテーション

今回の無印良品イオンモール堺北花田店のリニューアルオープンに関しては、「食のテーマパーク」という点に注目が集まっていますが、インテリアや雑貨類といった主力商品売り場にも様々な新しい工夫が見られました。

特に目を引くのが、高い天井を生かしたディスプレイの数々です。無印良品の象徴的な商品使ったアートな演出には無印良品の美意識の高さを改めて感じました。その他の売り場でも、広いスペースを上手に生かした大量陳列が無印の高い商品力をアピールしています。

 

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◆ライフスタイル提案型ブランドとして日々進化する無印良品

このところネット通販の台頭に押されて、国内の店舗販売は苦境に立たされています。米国においても「トイザらス」が大量閉店に追い込まれるなど、小売業の大転換が起こりつつあります。そんな中、無印良品を展開する良品計画は、2018年2月期の売上高にあたる営業収益は14%増の3800億円程度、連結営業利益は、前の期比15%増の440億円程度と報じられており、5期連続で過去最高となる模様です。国内では一部を値下げした効果や厳冬もあって客足が伸び、衣料品販売が好調。中国など海外事業の収益も改善しています。国内既存店への客数は6%ほど伸びたとみられており、特に17年12月と18年1月は既存店で衣料品を購入した客数が前年同月と比べそれぞれ2割以上増加。寒い日が続き、ダウンジャケットやセーターなど秋冬商品の販売が好調だったようです。また定番商品の化粧品やレトルトカレー、「不揃いチョコがけいちご」は安定した人気を得ています。

 

このように、多くの小売業態が苦戦を強いられている中で、良品計画が好調を持続している要因は一体何なのか。私は、今回リニューアルオープンした無印良品イオンモール北花田にすべての答えを見ることができると思います。「生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なカタチでつくる」という、無印良品の理念を忠実に追及する中で、お客様の「困った」を減らす、お客様の「うれしいを増やす」という生活価値を丁寧に提案していく。そして生活者が喜ぶことをひとつひとつ地道に取り組んで実現していく。そんな無印良品の理念追求型の姿勢に学べる点は多くあります。

共働き世帯の「時短ニーズ」に応えよう。

みなさんこんにちは。ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

 

先日のブログでは、「現代女性が求めている8つの基本ニーズとは?」というタイトルで、女性に喜んでもらうために理解しておきたい8つのニーズについてお話ししました。

http://www.happymk.net/entry/2018/03/02/160319

 

その中の4つ目の基本ニーズは、「時間を上手に使って、自分の時間を大切にしたい。」でした。

 

このブログでも過去に何度も取り上げていますが、働く女性が増えるとともに、共働き女性も年々増加しています。2001年の共働き世帯は961万世帯でしたが、2016年には1129万世帯に増加。一方専業主婦世帯は、2001年の890万世帯から2016年には664万世帯まで減少しており、今後も共働き家庭の増加が予測されます。(総務省 平成28年版(2016年版)の「国民生活基礎調査の概況」より)

詳しくは下記の記事をご覧ください。

◆M字カーブ解消!増える働く女性のライフスタイルの変化に着目しよう!

http://www.happymk.net/entry/2018/02/26/142444

 

◆単身世帯と働く女性の増加に目を向けよう。

http://www.happymk.net/entry/2017/08/24/054957

 

このように、女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加によって、「時間を上手に使って、自分の時間を大切にしたい。」というニーズは年々大きくなっています。つまり、仕事と家事や育児との両立は、今や女性にとっての社会課題となっており、解決するための様々な商品やサービスが開発されて「時短マーケット」はこのところ拡大の勢いを見せています。

◆時短ニーズに応えることは、女性の社会課題を解決することにつながる!

http://www.happymk.net/entry/2017/08/03/233100

 

◆共働き世帯の増加が新たな時短市場を生み出す。

http://www.happymk.net/entry/2017/09/21/071827

 

 

☛ 2017年、レトルトカレーの売上がカレールーの売上を上回る。

調査会社インテージの調べによると、2017年度のカレールーの売上は前年比6.7%減の456億円、一方レトルトカレーの売上は前年比3.4%増の461億円で、初めてレトルトカレーの売上が、カレールーの売上を抜きました。つまり、手間ヒマかけて一から作るカレーよりも、温めるだけで短時間で簡単に食べられるレトルトカレーに支持が集まっているということです。先日このブログでも書いたように、食品専門スーパーの北野エースでは、日本全国の手に入りにくいレトルトカレーの品ぞろえに力を入れて、カレー部門の売上を伸ばしています。

◆北野エースが「カレーなる本棚」にかける思い。

http://www.happymk.net/entry/2018/02/26/131316

 

☛イオンも食材と調味料がセットになった「ミールキット」に注力。

この流れを受けて、小売りや食品各社は、短い時間で食事ができる加工食品の開発に力を入れています。大手スーパーのイオンでは、加工済みの野菜と精肉、調味料とレシピなどがセットになったチンジャオロースや肉野菜炒めなどの「ミールキット」をこの3月から順次投入。フライパンなどで加熱するだけで10分~20分くらいで食卓に出せるのが売りです。2019年2月までには約50品目に拡大し、先行しているオイシックスなど食品宅配会社に対抗します。

 

また、ハウス食品では、「スパイスフルカレー」などレトルトカレーの部門の商品ブランド数を充実させます。また、マルハニチロでは、冷凍食品で、食べ応えのあるハンバーグなどを充実し、お弁当以外の分野を強化します。

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総務省の家計調査によると、2016年の二人以上世帯の食料品への支出は前年比実質0.2%減。その一方で時短につながる弁当・総菜などの「調理食品」の支出は3.8%増加しています。

☛調理時間の短縮を心がけている人は8割以上。

ベルメゾン生活スタイル研究所が、2016年9月に発表した調査結果を見ても、調理時間の短縮を心がけていると回答した人は、全体の82.0%(「心がけている」33.8%、「わりと心がけている」48.2%の合計)。年代別でみると、20代が86.6%(「心がけている」32.8%、「わりと心がけている」53.8%の合計)と短縮を心がけている人の割合が最も多く、次いで60代の85.3%(「心がけている」32.2%、「わりと心がけている」53.1%の合計)が続いており、調理や食品に対する時短ニーズは大きいことがわかります。

http://www.b-desse.jp/report/1526/

 

共働き世帯は専業主婦の世帯に比べて可処分所得が高く、年間消費支出金額が多いことも分かっています。公私ともに忙しい女性が増える中、働く母親たちは時間をおカネで買おうとしています。皆さんが扱っている商品やサービスでも働く女性の時短ニーズに応えることができないか、改めて考えてみましょう。

 

☛そのほかの時短マーケット関連記事はこちらからご覧ください。

 

◆スマホで変わる、買い物スタイル。これからはスマホでマクドナルド

http://www.happymk.net/entry/2018/02/23/162730 

 

◆2018年、共働き主婦の気持ちを掴むキーワードは「ゆでおき」!?コンテンツ開発力が企業の命運を決める!

http://www.happymk.net/entry/2017/12/13/141735

 

◆15分で主菜と副菜の2品が作れる!『帰ってから作れる!2品で満足 すぐでき献立』とは?

http://www.happymk.net/entry/2017/07/12/181930 

 

◆宝島社が、帰宅後、15分以内にできる!『太らない!ただいまご飯』を発売。時短需要は今後も広がっていく。

http://www.happymk.net/entry/2017/06/19/183100

 

◆わずか15分で野菜たっぷりの主菜が完成!働く女性に嬉しい「冷凍deli kit」を大地を守る会が発売。

http://www.happymk.net/?page=1497342367 

 

◆中高年女性に人気の「カーブス」から学ぶ、女性マーケティングのヒント。

http://www.happymk.net/entry/2017/06/09/141854

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代女性が求めている8つの基本ニーズ①出来るだけ、エコノミーに暮らしたい。

 

みなさんこんにちは。ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

前回のブログでは、現代女性が求めている8つの基本ニーズについてお話ししました。今回からは一つ一つのニーズを紐解き、現代の消費との関連性を見ていくことにしましょう。

 

◆バブル崩壊以降「エコノミー志向(節約志向)」が生活者の中に浸透

1991年のバブル崩壊以降、日本経済は低迷期に入り「失われた20年」とも言われています。このころから、生活者の節約意識は芽生え、今では若い人でも「コスパ」が消費のキーワードとなるなど、「無駄な出費はできるだけ省いて、納得のいく買い物をしたい」という志向は、当たり前の考え方になっています。

 

その後2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災を経験した生活者は、将来に対する不安感から、より一層節約して将来に備えよう、という意識が高まりました。

 

また、ここ最近、上場会社を中心に企業業績は好調でありながらも、働く人の給料はあまり増えていません。その一方で公共料金の値上げやスマートフォン等の通信費が家計に重くのしかかっている現状もあります。

 

そんな背景から、「できるだけエコノミーに暮らしたい」という欲求は、現代女性が求めている8つの基本ニーズのベースになる重要なニーズです。今や、「コストパフォーマンス」が高く、リーズナブルな商品(お値打ち品)であることが売れるための基本条件といっても過言ではないでしょう。

 

◆エコノミー志向と新しい消費傾向

ここ数年の消費環境を見ても、生活者はエアコンや冷蔵庫、LEC電球などの「省エネやエコ家電」また燃費効率の良い「ハイブリッドカー」など、買う時のイニシャルコストよりも長い目で見たランニングコストを重視する傾向が強まっています。

 

また、国内外の人気ブランドが毎日お得な価格で買える「アウトレットモール」は今や、全国に37モール(日本ショッピングセンター協会調べ)展開。一日中レジャー 気分で楽しめる非日常性が、現在の「コト消費」志向にも合致して新しいショッピングスタイルを根付かせました。また、アメリカ生まれの大型会員制の倉庫店、「コストコホールセール」や「ドン・キホーテ」など、宝探し感覚で選ぶ楽しさと価格の安さを兼ね備えた専門店も景気低迷期にあっても人気を継続しています。

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◆EC急成長の背後には時間も家計も節約できる「エコノミー志向」が

ところで、買い物スタイルの変化で最も大きいのはネット通販の利用拡大です。経済産業省の電子商取引に関する市場調査結果によると、国内のB2C電子商取引の市場規模は、2010年の7兆7880億円から2016年には、15兆1000億円(前年比9.9%増)へと急拡大していることがわかります。全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合(EC化率)も10年の2.84%から5.43%へと拡大。物販分野における2016年度のスマートフォン経由のB2CECの市場規模は、5697億円増の2兆5559億円(前年比26.7%増)となり、物販B2CEC市場規模8兆43億円の31.9%を占めるようになっています。野村総合研究所では、B2CEC市場規模は2021年には25兆6000億円にまで成長すると予測。スマートフォンの普及に伴い、時間や場所を問わずにECを利用できるようになったことが市場の成長を後押ししています。

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EC拡大の背景には、スマートフォンの普及によって、いつでもどこでも買い物ができ、お店に行く時間やテマ、交通費が節約できること、店舗よりも価格が安く、無料や安い送料で届けてくれるアマゾンや楽天のようなECプラットフォーム事業者が存在感を高めてきたこと、店舗販売を生業としていたブランドや企業がこぞってECに進出してきたことなどがあげられます。お値打ち感のみならず、「タイムイズマネー」、つまり買い物する時間も節約できるエコノミーなショッピングスタイルが現在の生活者の節約ニーズを満たした結果といえるでしょう。

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◆エコノミー志向が後押しする「フリマアプリ」や「シェアリングサービス」の成長

そして、この流れは、メルカリに代表される「フリマアプリ」の大躍進やカーシェアに代表される「シェアリングサービス」の普及につながってきています。先ほどの経済産業省の電子商取引に関する市場調査結果によると、

2012年に誕生したフリマアプリの市場規模は2016年には3052億円へと急成長しており、今後も大きく伸びていく可能性を秘めています。最大手のメルカリの2016年6月期(15年7月~16年6月)の売上高は122億5600万円(前期比189%増)、営業利益は32億8600万円(前期は11億400万円の赤字)。売り上げが前年から大きく伸びた上、13年の設立から初めて黒字化を果たしており、月間の流通額は100億円以上と推定されています。

 

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またタイムズカープラスに代表されるカーシェア大手5社の2016年1~3月の集計によると、総車両台数は18,115台でうなぎ上りに増加。これによって売り上げ規模も2020年には2014年の倍の295億円に成長していくことが見込まれています。米国ではライドシェアの「uber」や民泊の「airbnb」が急躍進を見せており、この流れは今後日本でも現実味を帯びたものになっていくでしょう。

 

◆元気ファッションのキーワードは「スタイリッシュなお値打ち品」

ファッションに目を向けてみると、かつての大手アパレルブランドが総じて苦戦する中、スペイン発の「ZARA」やスウェーデン初の「H&M」、そして日本発「ユニクロ」に代表されるファストファッションが若者からシニア層まで幅広い客層に支持されています。いま、元気のあるファッション企業をひとことで表すと、「スタイリッシュなお値打ち品」を提供しているブランドということが言えます。単に安さだけでなく、おしゃれでセンスが良い「スタイリッシュ」というデザイン価値がなければ顧客から見向きもされない時代になってきています。

 

その他、「ダイソー」や「セリア」といった100円ショップもデザインに磨きをかけ、次々に新商品を開発することで毎年店舗を拡大。エコノミー志向の生活者のニーズをがっちり掴んで、売り上げも順調に成長を続けています。

 

サービスに目を向けると、移動はできるだけ安く済ませたいというエコノミーニーズを満たした、LCC(格安航空会社)もすっかり定着して生活者のひとつの選択肢になっています。

 

そして「できるだけエコノミーに暮らしたい」というニーズは、自ら生産者となる「手作り志向」の高まりにも拍車をかけています。minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)に代表されるハンドメイドサイトはどこも大賑わい。詳しくは、現代女性が求めている8つの基本ニーズの7つ目「消費するだけでなく自ら何かを生み出したい。」の項で説明します。

 

このように、エコノミーに暮らしたいというニーズは、所有から使用へ、消費から生産へという生活者のライフスタイルを大きく変化させています。

 

将来に対する不安が高まる中、これからも生活者の「エコノミーに暮らしたい」というニーズはますます大きくなっていくことが予想されます。ただ、「エコノミー」であることは、ある意味当たり前であって、その上にどんな新しい付加価値をつけるのか、どんなニーズを満たしていけばよいのか。次回以降で引き続き述べていきたいと思います。

現代女性が求めている8つの基本ニーズとは?

みなさんこんにちは。ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

ところでみなさんは、マーケティングって何?と聞かれたらなんと答えますか?

 

マーケティングの定義にはいろいろありますが、私は「新しい価値を創造」していくプロセスこそがマーケティング活動ではないかと考えています。

 

では「価値」ということばは、どんな言葉で定義するとわかりやすいでしょうか。

これも私なりの定義ですが、価値とは「相手のニーズを満たす自分の働き」ととらえています。

 

みなさんのふだんのお仕事を考えてみてください。どんな仕事にも、おカネをいただくクライアントが存在します。例えば会社勤めのサラリーマンならクライアントは社長ですね。ということは社長が望んでいること(売り上げを上げたい、利益を上げたい、新しい事業を成功させたい、お客様に喜んでほしい・・・・)といったニーズに対して、あなた自身がどれだけ貢献しているかがあなたの価値になり報酬や昇進・昇格に結びつくわけです。いくら素晴らしいことをやっていても、社長のニーズを満たせていなければ決してあなたは「価値ある人材」として認められないわけです。

 

商売をされているなら、クライアントはもちろんお客様になります。つまり価値を提供してお客様に喜んでいただくためには、お客様が一体何を期待して自分の店に来ていただいているんだろうというニーズを理解することが先決です。もしわからなければ、来店されたお客様に直接聞いてみてもよいでしょう。

 

私は、長年ベルメゾン生活スタイル研究所というシンクタンクで、女性生活者の意識や価値観、ライフスタイル変化などについて調査・研究してきました。そこから現代女性が求めている8つのニーズが見えてきました。消費の決定権の8割を握っているといわれる女性生活者にとって価値ある存在になるためには、以下の8つの基本ニーズを理解して商品開発やサービスメニューの企画に生かしていただきたいと思います。

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◆現代女性が求めている8つの基本ニーズとは

①出来るだけ、エコノミーに暮らしたい。

②昔ながらの日本の良さを取り入れて暮らしたい。

③外見はもちろん内側から健康で美しくなりたい

④時間を上手に使って、自分の時間を 大切にしたい。

自分の好きなモノに囲まれて暮らしたい。

周りの人とつながって暮らしたい。

⑦消費するだけでなく、自ら何かを生み出したい。

⑧時にはちょっと贅沢したい。発散したい

 

次回からは、現代女性が求めている8つの基本ニーズについて詳細に見ていくことにしましょう。

M字カーブ解消!増える働く女性のライフスタイルの変化に着目しよう!

みなさんこんにちは、ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

 

総務省が1月下旬にまとめた最新の労働力調査によると、2017年は15~64歳で働く女性が2609万人、男性は3289万人。率(労働力率)にすると、男性(85.6%)とは開きはあるものの、女性は69.4%と過去最高を記録しました。景気回復が始まった12年から上昇が加速し、この5年間で女性の労働力率は6ポイント上昇したことになります。

 

これによって、女性が出産や育児によって職を離れ、30代を中心に働く人が減る「M字カーブ現象」が解消しつつあります。背景には働く意欲のある女性が増えたことや、子育て支援策が充実してきたことがありますが、一方では配偶者の給与が伸び悩んでいることも見逃せません。人手不足下の景気回復で、企業が女性の採用を増やしていますが、男女の賃金や非正規比率にはなお差があり、女性の処遇改善は今後も課題となりそうです。

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(男女共同参画白書平成29年版より) 

年代別で見ると、30~34歳の労働力率は30年前に5割程度でしたが、ここ数年で急上昇し、17年には75.2%になり、40~44歳の77.0%とほぼ同じ水準になっています。また、政府や企業が働き方改革を進め、子育て世代も働きやすくなってきたことを背景に、17年は25~34歳の女性正社員が前年比で4万人増え、非正規社員が3万人減少。17年10月から育児休業も最長2歳まで認められるようになったこともあり、パートでなく正社員として復職する姿も目立ってきました。

 

ただ、総務省の調査では、働きたいのに「出産・育児」を理由に求職を断念している人は89万人にのぼってお、り、今後も女性の労働力率は上昇していくと思われます。

 

このように、働く女性が増加することで、女性のライフスタイルが大きく変化しています。それに伴って仕事と家事や育児を効率的にこなしたいというニーズや、ストレスをこまめに解消してコンディションの良い状態で毎日を暮らしたいというニーズ、家の中では心地よく家族とのコミュニケーションを楽しみたいというニーズなど新しいニーズが次々に芽生えて生きています。このブログでも「時短」ニーズが生み出している新マーケットについては何度も書かせていただいていますが、今後も働く女性のインサイトを掴むことがますます重要になってきています。

 

北野エースが「カレーなる本棚」にかける思い。

 

みなさんこんにちは。ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

 

「モノ消費からコト消費へ。」という言葉は、このところ耳にタコができるくらいよく聞かれるようになりましたが、モノを陳列している店頭で、お客様が「ワクワクしながら商品を選ぶ。探す」という体験価値を提供していくことは簡単ではありません。ただ、ネットで目的買いをすることが当たり前のスタイルになった今だからこそ、店頭で選ぶ楽しさやモノに触れる喜びを提供していかないと、店舗はどんどん淘汰されていくことが予想されます。

 

ところでみなさんは「カレーなる本棚」という名前を聞いたことがあるでしょうか。実はコレ、食品専門スーパー「北野エース」が展開する、まるで本棚のようなカレー売り場の名称で、商標登録までしているというから驚きです。

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(写真は、株式会社エースホームページより)

 

◆「カレーなる本棚」が誕生した背景

「北野エース」では十数年前に東京に進出した頃、食事に利便性が求められるようになり店舗では多くのレトルトカレーを取り扱うようになりました。2009年東武百貨店に「北野エース」が出店した際、大量のレトルトカレーをいかに少ないスペースで陳列、お客様に見やすく手に取っていただけるかを考えていた時に、担当者がふっとひらめいたのがレトルトカレーの箱を本棚に本が並んでいるように背表紙を見せるように並べる方法でした。

 

翌年、2010年4月に調布パルコ店に出店する際に木什器を導入し「カレーなる本棚®」と名付けました。「カレーなる本棚®」の北野エースと知名度もあがり、2012年暮れには「カレーなる本棚®」を商標登録、翌2013年には(食品における)「ブック陳列」の商標登録をするという熱の入れようです。

 

「カレーなる本棚®」に陳列されているカレーの種類は各店舗により異なりますが、店舗ごとの顧客のニーズやリクエストに応じて、日々店舗で入れ替えを行っているようです。果物を使ったカレーや北海道から沖縄までのご当地カレーなど約200~300種類を取りそろえており、レトルトカレーだけの売り上げでみると、毎年ずっと伸び続けており、まさに北野エースの目玉商品として集客にも寄与していることが推測されます。

 

◆ニッチ戦略で独自性を追求する「北野エース」

さて、北野エースを展開する株式会社エースの創業は1962年。初代社長北野治雄により食料品・雑貨・衣料品を主とした大型総合スーパー「エース」が始まりです。その後1985年に当時はまだ珍しいディスカウントストア「ブルドッグ」を、1994年にはエース新鮮館をオープン。以後、先進的な店舗戦略で圧倒的な集客力を持った店舗を次々と出していき、2002年には関東エリアへ進出し、次々と出店を続けています。

 

2017年12月期の売り上げは253億円。店舗数は全国に81店と規模は小粒ながら、独自のニッチ戦略で、北野エース好きなコアファンをきちんと掴んでいます。その背景には、北野秀雄社長の経営理念や、店づくり、品ぞろえ、サービスに対する確固たる考え方があるのです。

 

北野エースが最も重視していることが、「他社ではまねできない新しい価値の創造」です。北野社長の言葉からも「生活者の二極化と多様化が進む今の時代に生き残ることを考えると、標準化や総合化ではなくニッチを追求しないといけません。いかにして他社ではマネのできない付加価値を生み出せるか。それは脱スーパーと専門事業化による新しい価値の創造だと考えております。加工食品や専門分野に特化することで的を絞り、そこに付加価値を作る。店舗でいうと「北野エース」、商品では「キタノセレクション」がそれに当てはまります。エースにしかない商品、エースでしか作れない商品を増やすことが個性となり、それが地域密着に欠かせないものとなります。商品戦略も業態も出店計画も、周りと足並みを揃えるだけでは価格競争の域から抜け出すことはできません。日本のエースになろう、ニッチからメジャーになろう、そして流通革命を起こそう。20年以上前から構想していたことが、ここに来て現実味を帯びてきました。」と、「独自性の創造こそが北野エースの存在価値」という確固たる信念が読み取れます。

 

◆北野エースの圧倒的な3つの強み

最後に北野エースの具体的な強みを見ていきましょう。

☛小売りではなく「個売り」業 

「北野エース」「北野エースフーズブティック」「KITANOACEONE」など、首都圏・関西圏を中心に81店舗(2017年11月1日時点)を展開するエースには、一つとして同じ店はありません。立地や環境に合ったレイアウトに知恵を絞り、地域に暮らす人々の文化や生活スタイルに合った商品を豊富にそろえます。これまでの「小売」から、お客様個々の“ほしい気持ち”を満たす「個売」へ・・・。多くの顧客に愛されるかけがえのない店づくりへのこだわりが一番目の強みです。

 

☛一人でも求める人がいれば、一個でも仕入れる主義 

価格競争の激しい現在、安さを売りにすることなく、多くの顧客から支持を得るために圧倒的な品ぞろえに注力。全国から500種類を集めたカレー売り場はその象徴。他にも、味噌90種類、醤油150種類、ドレッシング170種類など、種類の多さでエースを抜くのは至難の技。価格の安さではなく、品質と価値の高さで仕入れた商品が、「どうせ買うならいいモノを楽しく買いたい」というお客様のニーズにマッチ。たとえ一個でも「ほしい」というお客様の声に応える売り場づくりが二番目の強みです。

 

☛初めての美味しさに出会う感動を、進化した小売サービスの一つに。 

新しくて珍しい品々を豊富にそろえるエースでは、商品知識を備えたコンシェルジュを各店に配置。顧客の求めに応じて、商品特性や美味しさをていねいに説明。 たくさんの商品の中から、顧客ひとりの好みや価値観、生活スタイルに合った理想の商品選びをサポートしている。顧客がより美味しいモノ、よりいいモノと出会い、より豊か買い物の喜びや感動を提供していることが三番目の強みです。

スマホで変わる、買い物スタイル。これからはスマホでマクドナルド。

 

みなさんこんにちは、ライフバリューマーケティングの和田康彦です。

 

 2008年7月 、日本で初めて発売されたスマートフォン「iPhone」の登場によって、私たちの生活は劇的に変わりました。まさに、スマートフォンがもたらしたライフスタイル革命といっても過言ではないと思います。その後もスマホ技術の進化により、私たちの生活は日々便利になっており、ライフスタイルにも大きな変化を生み出しています。

 

日本マクドナルドは、スマートフォンで商品を事前注文し決済もできるシステムを全2900店に導入することを発表しました。入店と同時に注文内容がキッチンに伝わり、待ち時間なく商品を受け取れるようになります。今年度中に一部の店舗で実験を重ね、2019年度以降に全店に拡大する計画です。

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私たち消費者は、来店前にスマホで商品を選ぶと、入店と同時にキッチンに注文内容が伝わり、予約時間に遅れても出来立てを受け取れるようになります。またスマホでクレジットカード決済もできるようになり、通常のレジで購入するよりも注文から商品を受け取る時間が大幅に短くなりそうです。

 

消費者にとっては待ち時間のイライラが解消され、マクドナルド社にとっては生産性が高まり混雑の解消にもつながるなど、企業にとっても消費者にとっても買い物スタイルのうれしいイノベーションになりそうです。

 

米アマゾンでは、決済をスマホなどで省力化する「無人コンビニ」を開くなど、私たちの買い物スタイルは、今後も技術の進化で大きく変化していきそうです。先進企業が繰り広げるIT技術競争によって、私たちのライフスタイルは、日々変化していることを絶えず意識しておきましょう。