女性客から愛される!ライフスタイルマーケティング。

今や消費の8割以上の決定権を握ると言われる「女性生活者」から選ばれ、愛され続けるためのマーケティングのヒントをお届けしています。

「ライフスタイル」って何ですか?②世界一幸せなライフスタイル「Hygge(ヒュッゲ)とは?」

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
前回は、スマートフォンの登場によって私たちのライフスタイルが大きく変化していることをみてきました。

ところで最近「ワーク&ライフバランス」ということばをよく聞きますが、人間の中には、いつもバランスを取ろうとする働きが内在しているように思います。前回ご紹介したように、スマートフォンの登場によって私たちの生活はより便利に、より合理的に、より機能的になってきました。ただ、その一方で便利さや合理性は享受しながらも、もっと人間らしく、心豊かなライフスタイルを実現したい、という気持ちが芽生え、それとともに新しいライフスタイルトレンドが顕在化しています。

◆世界一幸せなライフスタイル「Hygge(ヒュッゲ)」
みなさんは、「Hygge(ヒュッゲ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
デンマーク語で「居心地がいい時間や空間」という意味の言葉なのですが、それが英国や米国のライフスタイル業界で新たなブームを起こしつつあり、日本でもこのところちょっとしたヒュッゲブームが起きています。

パチパチと音を立てる暖炉を囲みながら、手編みの靴下やセーターを着込んだ友達や家族が、コーヒーやケーキを食べてほっこりする時間――。ヒュッゲとはデンマーク人がアイデンティティ並みに重視するコンセプトのようです。

それが最近、デンマーク以外の国で「ヒュッゲを見習おう」という動きが表れているのです。すでに英国では、2年くらい前からちょっとしたヒュッゲブームが起きていて、コリンズ英語辞典は「ヒュッゲ」を2016年に最も話題になった単語トップ10に含めたほどです。また、アメリカのニューヨークタイムズやワシントンポストでも取り上げられ、世界中から注目が集まっています。

◆幸福度ランキングの上位は北欧各国
国連が2012年より150ヵ国以上を対象に行っている幸福度調査によると、デンマークは、スウェーデンやノルウェーといった近隣国を制して、「世界で最も幸せな国」にランクインされています(ちなみに2017年は1位フィンランド、2位ノルウェー、3位デンマーク、日本は51位、アメリカは14位)。デンマークの幸福度が高い理由としては、ワークライフバランス(週37時間労働に加えて、年に最低5週間の休暇)、充実した育児休暇制度や医療制度、男女平等の浸透、低失業率、政治的自由度、低い犯罪率、政治家の汚職が少ない、ただし税率は高いことがあげられます。

日本でも『Hygge(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(ピア・エドバーグ著、永峯 涼訳、サンマーク出版)ほか、北欧デンマークで古くから大切にされてきたという「心地よさ」の概念である「Hygge(ヒュッゲ)」の魅力を明らかにした書籍が多数発売されています。

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今回は、『Hygge(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』から、ヒュッゲとはどのようなライフスタイルなのかをみていくことにしましょう。

◆「ヒュッゲ」とは、北欧の国デンマーク生まれの「心地よさ」の概念
まず、「ヒュッゲ」とは、北欧の国デンマーク生まれの「心地よさ」の概念です。具体的には、人とのつながりを通して、あたたかさや癒し、幸福感を得ること。一瞬一瞬を大切にしながら、好きなものに囲まれて過ごすことをいいます。

物理的な居心地のよさを軸としながら、そこには「精神的な幸福感」や「周りとの一体感」も含まれます。自分自身、そして周りの人たちとの親密さ、つながり、あたたかさを丁寧につくっていく。そのアプローチ全体が、デンマーク流の「心地いい」暮らし方なのです。

自分の好きなものに囲まれて過ごし、その時間をいつくしむ「心地いい」暮らし方。家の中で過ごすとき、私的な、自分だけの時間を意識的に楽しむこと。そんな「ヒュッゲ」を実践していると、自然なかたちでシンプルな物事のなかにも喜びを感じられるようになるのだそうです。では「『心地いい』暮らしの基本」とはどんなことなのか、もう少し詳しくみていきましょう。

◆ヒュッゲ流心地いい暮らしの基本 ①シンプル
「心地いい暮らし」の基本の一つ目は、「日々の暮らしの小さなあれこれを愛でる」というシンプルな考え方。というのもデンマーク人は他の国の人たちとくらべ、物質的な豊かさへの執着心があまりないというのです。なぜならモノをため込むことよりも、家族や友人との時間や絆を大切にしているからです。

つまり、人生でもっとも価値のあるもの、もっとも記憶に残る出来事は、えてしてお金のかからないものだという考え方なのです。たとえば公園でのピクニックとか、仲のいい友人とホットチョコレートのカップを手に雪が降るのを眺めるとか、そういう些細なことにこそ価値を見出しているわけです。

その心地よさを知っているからこそ、著者は「誰もが生活の中に少しだけ『ヒュッゲ』のシンプルで心地いい時間の過ごし方を取り入れたなら、もっと幸せな気持ちになり、心に余裕ができておたがいにやさしくなれると思います」と記しています。

◆ヒュッゲ流心地いい暮らしの基本 ②スローダウン
心地いい暮らしの基本の二つ目は、「スローダウン」です。私たちは不安定な世の中に生き、情報過多に苦しんでいます。さまざまな情報がつねに押し寄せてきて、落ち着く間を与えてくれません。To Doリストにがんじがらめになってしまい、一息ついて緊張をゆるめたり、スローダウンしたりすることを忘れてしまいがち。

だからこそ、スローダウンは、心地いい暮らしの大切なキーワードのひとつだといいます。理由は、速度をゆるめることで、自分を取り戻すことができるからです。同書では、「試しに一度、電子機器の電源をすべて切ってしまおう。ろうそくを灯し、携帯電話などの機器類をすべて片づけてしまおう」という提案をしています。

◆ヒュッゲ流心地いい暮らしの基本 ③空気感
そして3つ目が「空気感」です。あたたかさや居心地のよさが滲み出ている雰囲気。安全でおおらかで、ゆったりとしていて、人とくらべたり競争したりしない。それこそが、心地いい暮らしが持つ「空気感」だといいます。大切なのは、すべてを楽しむこと。とはいっても、パーティのようなにぎやかな雰囲気のなかで盛り上がろうということではないようです。もっとくつろいだ、親密なもの、満ち足りて、充足感を得られるものだというのです。あれこれと気を散らせたり、明日やるべきことについて思い悩んだりすることも不要。急ぐ必要はないからです。

◆ヒュッゲ流心地いい暮らしの基本 ④仲間
そして4つ目の基本は「仲間」です。
誰かと心地いい暮らしを実践するなら、相手は一緒にいて楽しい人がいちばん。もちろんそれは、親しい友人や家族、パートナー、隣人、同僚など、あるいは1人でもOK。大切なのは、安心して自分らしくいられる人たちとともに過ごすことだといいます。また仲間は人間とは限らず、ペットも相棒として申し分ないそうです。

◆ヒュッゲ流心地いい暮らしの基本 ⑤オーセンティック
5つ目が「オーセンティック」
「オーセンティック」という言葉の意味を突き詰めていけば、「本物であること」「誠実であること」「地に足がついていること」ということになると著者。また、これは「本当の自分でいること」にもつながるそうです。大切なのは、自分の喜びに忠実に、自分の価値観にしたがって生き、誰かから言われたことではなく、自分の純粋な心の声に耳を傾けること。

ヒュッゲにおいて、オーセンティックであること、つまり「自分らしく生きること」はとても大切です。逆にいえば、自分以外の誰かのふりをしたり、別のイメージを演出しようとしたり、どんな自分を演じようかなどと思い悩んだ瞬間に、ヒュッゲの感覚は失われてしまうことになります。心を開くこと、人に親切にすること、そして自分自身の気持ちをも楽にすること、それこそがヒュッゲなのです。

誰かに認めてもらおうとか、よく思われようとする必要はなし。大切なのは、自分をなにかに見せかけようとせず、自分らしくあることだけに集中し、その瞬間にじっくりひたること。そうすれば心は解放されて楽になり、自分らしい自分を受け入れ、また人にも受け入れてもらえるようになるといいます。つまりは、「なにを持っているか」で自分を評価したり、されたりすることをやめるということなのです。

以上のように、ヒュッゲは北欧で誕生したものですが、まったく異なる環境下にいる私たちにとっても重要な意味を持つように思います。

◆バブル崩壊以降芽生えた「人間らしく生きるとは?」
ところで、このヒュッゲという生活に対する哲学のようなものは、何もここ2~3年前に突然降って沸いたように生まれたわけではなく、日本でいうとバブルが崩壊した1991年ころから芽生えてきた考え方なのです。

戦後日本の経済は一貫して成長曲線を描いてきました。いわゆる高度経済成長期といわれるものです。その後1986年から1991年にかけて、好景気を背景に土地の価格や株価といった資産が異常に暴騰しました。ところが長くは続かず、1991年にはそれぞれが暴落し、倒産する会社も相次ぎました。その後日本は低成長期に入り、皆さんも聞いたことがある「失われた20年」といわれるようになりました。このところ経済は持ち直しているとは言いますが、働く人の賃金はあまり増えていませんので、景気回復の実感がないのも実態のようです。

そんなバブル崩壊を機に、日本は成長期から「成熟期」に入りました。右肩上がりの環境から横ばいあるいは右肩下がりの環境へと変化してきたのです。それによって、今までの高度経済成長期の「つけ」も表面化してきました。環境問題や年金の問題、もっと根源的なことでは「人間らしく生きるとは?」みたいなことです。このような状態は何も日本国内だけの話ではなく、米国をはじめとした先進国でも表面化していきました。

◆健康と地球の持続可能性を志向するライフスタイル「ロハス」
「ロハス」みなさんも聞いたことがある言葉だと思います。
ロハス(LOHAS)の意味は「健康と地球の持続可能性を志向するライフスタイル」の総称です。 LOHASを英語で書くと「Lifestyles Of Health And Sustainability」となり、 その頭文字をつなげたものです。ロハスの言葉の起源は1998年アメリカの社会学者ポール・レイなどが起業協力して開発した マーケティングコンセプトです。 アメリカでは毎年ロハス(LOHAS)市場を拡大の為ロハス(LOHAS)会議が開催されています。 2005年の調査ではアメリカの成人人口の20%強がロハス層だと言われています。

日本では、2000年9月に日経新聞が関連記事を掲載、月刊誌『ソトコト』がロハス特集を組むなど マスメディアが注目したことで広まっていきました。また、LOHAS SUNDAY(ロハス・サンデー)というラジオ番組が放送され、テレビ番組、ロハスな生活(テレビ東京)でも取り上げられました。その後、ロハスの言葉の意味を知り、 ロハスに興味を持ち健康や環境問題への関心の高い人が増えていきます。

ロハス(LOHAS)の概念は明確になっていない部分もありますが、一般的に健康や環境をテーマにした様々な製品・サービスそして団体・個人、またライフスタイルまで含んでロハスと呼ばれているようです。

具体的には以下のようなものになります。
・オーガニック食品、健康志向や環境にやさしい生活製品・サービス
・環境問題やエコロジーに関する運動
・ヨガ、膳、瞑想などの自己啓発
・シンプルライルやスローライフ などですが、
先ほどの「ヒュッゲ」の考え方と似ている部分があるのではないでしょうか。

また反面、ロハス(LOHAS)対する批判的な声もあり、 ロハス(LOHAS)はあくまでもマーケティングコンセプトのために生まれた言葉であり、 売れるためにどうするか?というビジネス的な考えが強すぎるため、 健康や環境にどれだけ良い影響があるのという科学的視点が欠けているという指摘もあります。

とはいえ、「オシャレにかわいくエコを実践しよう」とはじまったロハスフェスタというイベントには、今では毎回約8万人以上の方が来場するまでのイベントになっています。今年も4月20日~22日、27日~30日の期間、大阪の万博記念公園で開催されました。

◆最近では「丁寧なくらし」や「暮らし系女子」「ミニマリスト」も登場
国内にもう少し目を向けてみると数年ほど前から「丁寧なくらし」や「暮らし系女子」という言葉もよく聞かれるようになりました。

こうした「丁寧な暮らし」のアイコンの1人が、NHKのEテレで人気のベニシアさんと言われています。京都大原に住むイギリス人ハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさん。ハーブが専門なので、「四季折々にハーブを育て、衣食住のあらゆるシーンに活用。料理やお茶などの食用はもちろん、シャンプーや化粧品、ワックス、洗剤、防虫剤など、ハーブを活用する生活が紹介され、多くの女性のあこがれの的となりました。

彼女を代表とする「丁寧な暮らし」のリーダーたちのキーワードは、季節感、そして手づくり。夏にはお手製のレモンバーム入り梅酒を楽しみ、クリスマスには定番のジンジャーブレッドを焼き、お手製のオーナメントを飾り……という暮らし方です。

一方、「丁寧な暮らし」を前面に出したウェブショップ、キナリノ(https://kinarino.jp/)でも、「めぐる四季を感じながら焼く、日常により添うお菓子」「今日の元気とキレイは自分で選ぶ! 素材を感じる、野菜&フルーツのレシピ集」といった特集が、美しい写真とともに並びます。ヘルシーで美しい生活は、生産者が込めて作った四季折々の食材を丁寧に調理することから……というライフスタイルを提案しているのです。

こうした、季節感のある、厳選された素材を使って自ら作った食べ物、たとえば味噌や梅干し、パンといったものを、ゆったり味わい楽しむ生活は、ここまで述べてきたように、テレビや雑誌で「丁寧な暮らし」として取り上げられています。

このような丁寧な暮らし方というのも、何かヒュッゲと共通するところを感じます。さらに最近では、2015年に注目を集め、新語・流行語大賞にもノミネートされた「ミニマリスト」という言葉もよく聞きます。

「自分にとって本当に必要な物」を一つひとつ見極めて、思い切って少しずつ物を手放していくと、暮らしがスッキリして、物に対する感謝の気持ちまでも持てるようになるという考え方ですが、元々は断捨離ブームが引き起こした現象出ないかと思います。

ここまで見てきたように、スマートフォンをはじめとしたIT技術の進化によって得た便利で合理的な暮らしを享受するとともに、人間らしい、豊かで、温かい暮らし方を求める動きも活発になってきています。今後、IotやAIが私たちの生活の入り込んでくることで、ますますこのような人間らしいライフスタイルを求めるニーズは高まっていくと思います。

 

「ライフスタイル」って何ですか?①スマホによるライフスタイルの大変革。

みなさんこんにちは。ライフスタイルマーケティングの和田康彦です。
今日からは「ライフスタイル」について理解を深めていただくための話をしていきたいと思います。

◆スマホの登場によって、私たちのライフスタイルは大きく変わった。
アップルのスティーブジョブズ氏が最初のiPhoneを米国で発売したのが2007年、翌年2008年に日本でも発売されました。今年は2018年ですから、スマートフォンが私たちの生活に入り込んでまだ10年とまだ歴史は浅いことがわかります。ただ、この間の世の中の変化や私たちのライフスタイルの変化には目を見張るものがあります。

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私が以前に所属していました千趣会のベルメゾン生活スタイル研究所では、毎年年末に次の年の女性のライフスタイルを予測する「しあわせ予報」というレポート誌を発行していました。

2013年末に発行したしあわせ予報2014では「スマホで変わる、私たちの生活」というタイトルで、スマートフォンの登場によって30代~40代女性のライフスタイルがどんな風に変化したかを調べました。

その中の代表的な生活スタイルの変化を見ていくと、4年経った今では当たり前のことばかり、つまり生活スタイルとしてしっかり根付いていることばかりです。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ①写真ライフ
まず、スマホの登場によって、人々の「写真ライフ」が大きく変化しました。まず、デジカメを使わなくなったという人が大幅に増加し、いつでもどこでも気軽にスマホで写真を撮る生活が日常になりました。それまでは、写真といえばデジカメで撮ることが当り前でしたから、まさに写真革命といえます。

また、今ではすっかり日常の風景になりましたが、「料理」や「スイーツ」などを撮影する女性があちこちで見られるようになりました。これもスマホの登場以前はあまり見られなかった光景です。

そして、撮った写真は友人や知人に送ったり、SNSで共有するというこれもまた新しい写真の楽しみ方やコミュニケーションのスタイルが生まれてきたわけです。

また、画像修正アプリの登場によって、これまではプロに頼まなければいけなかった画像修正も簡単にできるようになり、写真の楽しみ方が大きく広がりました。

当時のコメントを見ても「見て楽しむだけでなく、記録するために写真を残すという意識に変わった45歳、パート」、「SNSへ投稿する楽しみが増えた30歳 専業主婦」「ちょっとした日常を友人と共有することができるようになった38歳 会社員」「素人でも編集アプリで可愛く、プロ並みに加工できるので、写真を撮るのが楽しくなった36歳 会社員」、「その日に撮ったベストショットをコラージュにして思い出にしている31歳 専業主婦」」などの声を聞くことができ、スマホの登場によって写真の楽しみ方が大きく変化したことがわかります。そしてスマホの登場によって、デジタルカメラの需要が激減するという消費スタイルの変化をも生み出しました。このように、ライフスタイルの変化が消費スタイルの変化に密接に結びついていることをしっかり理解しておきましょう。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ②コミュニケーションスタイル
次に、こちらも今ではすっかり当たり前の光景になりましたが、人と人とのコミュニケーションのスタイルがスマホの登場によって大きく変化しました。それを媒介したのがソーシャルネットワーキングサービスといわれるSNSの登場です。フェイスブックもツイッターもの日本での公開は2008年、ラインは東日本大震災後の2012年、インスタグラムは2014年とどれもがまだ10年以内のサービスにも拘わらず、全世界で多くの人が利用し、毎日のコミュニケーションに革命をもたらしました。

具体的には「小・中・高の同級生と連絡をとるようになり、同窓会へ行ったり会って遊ぶようになった。36歳 会社員」「ちょっとしたことでサークル仲間とコミュニケーションが増え、集まる機会が増えた。38歳 会社員」「こまめに家族と連絡を取るようになった。40歳 会社員」「LINEやFBで気軽にやり取りでき、特定個人だけではなくみんなに自分のことを伝えることができる。33歳 パート」「大きな画像もそのまま送れるので頻度が増えた。34歳 専業主婦」といったような声が聞かれました。このようにスマホの登場によって私たちのコミュニケーションは、古い友人など関係が遠い人とも再びつながれるようになり、人を気軽に誘えるようになり、いつも人とつながっているような感覚を持つ人が増え、面と向かって話しにくいことでも、気軽にやり取りできるようになり、家族の安否確認がしやすくなって余計な心配をしなくて済むようになるなどスマホの登場によって私たちのコミュニケーションスタイルが大きく変化したことが理解できます。

今や「インスタ映え」や「フォトジェニック」という言葉を聞くのが普通になりましたが、インスタグラムの登場によって、例えばスィーツは美味しいだけでなく、チャーミングな見栄えという新たな価値を付加しないと今や売れにくい時代になりました。このように、SNSの登場は、消費のあり方にも大きな変化をもたらしたことがお分かりいただけると思います。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ③買い物スタイル
さらにスマートフォンの登場によって買い物のスタイルも大きく変わってきました。
経済産業省の電子商取引に関する市場調査結果によると、国内のB2C電子商取引の市場規模は、2010年の7兆7880億円から2016年には、15兆1000億円(前年比9.9%増)へと急拡大していることがわかります。全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合(EC化率)も10年の2.84%から5.43%へと拡大。物販分野における2016年度のスマートフォン経由のB2CECの市場規模は、5697億円増の2兆5559億円(前年比26.7%増)となり、物販B2CEC市場規模8兆43億円の31.9%を占めるようになっています。野村総合研究所では、B2CEC市場規模は2021年には25兆6000億円にまで成長すると予測。スマートフォンの普及に伴い、時間や場所を問わずにECを利用できるようになったことが市場の成長を後押ししています。

EC拡大の背景には、スマートフォンの普及によって、いつでもどこでも買い物ができ、お店に行く時間やテマ、交通費が節約できること、店舗よりも価格が安く、無料や安い送料で届けてくれるアマゾンや楽天のようなECプラットフォーム事業者が存在感を高めてきたこと、店舗販売を生業としていたブランドや企業がこぞってECに進出してきたことなどがあげられます。お値打ち感のみならず、「タイムイズマネー」、つまり買い物する時間も節約できるエコノミーなショッピングスタイルが現在の生活者の節約ニーズを満たした結果といえるでしょう。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ④シェアリングサービスの登場
そして、この流れは、メルカリに代表される「フリマアプリ」の大躍進やカーシェアに代表される「シェアリングサービス」の普及につながってきています。先ほどの経済産業省の電子商取引に関する市場調査結果によると、
2012年に誕生したフリマアプリの市場規模は2016年には3052億円へと急成長しており、今後も大きく伸びていく可能性を秘めています。最大手のメルカリの2016年6月期(15年7月~16年6月)の売上高は122億5600万円(前期比189%増)、営業利益は32億8600万円(前期は11億400万円の赤字)。売り上げが前年から大きく伸びた上、13年の設立から初めて黒字化を果たしており、月間の流通額は100億円以上と推定されています。

またタイムズカープラスに代表されるカーシェア大手5社の2016年1~3月の集計によると、総車両台数は18,115台でうなぎ上りに増加。これによって売り上げ規模も2020年には2014年の倍の295億円に成長していくことが見込まれています。米国ではライドシェアの「uber」や民泊の「airbnb」が急躍進を見せており、この流れは今後日本でも現実味を帯びたものになっていくでしょう。

またスマホの普及によって、「お店に行く前に商品の情報を集める」「セールの案内を事前に確認する」「テレビで気になった商品はすぐに検索する」「クーポンを探してからお店に足を運ぶ」「商品の最安値を調べる」「レビューの評価を確認して買う」「ネットチラシを確認する」「店で商品を見ながらネット検索して買う」という人が増え、よりお得で安心できる買い物にシフトしていることがわかります。

これによってアマゾンや楽天市場といったECプラットフォームの取り扱い金額は急拡大を遂げ、今では私たちの生活になくてはならないインフラにまで普及しています。また、これまでは試着しないと買うことが難しいとされていた洋服もZOZOTOWNといった新しいファッションサイトの登場によって今やすっかり私たちの生活に根付いてきました。ZOZOTOWNにつきまして後日事例研究でしっかり見ていきたいと思います。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ⑤家事スタイル
その他、女性の家事面では、レシピを検索して料理に生かしている女性が大幅に増えました。最近では動画料理アプリも大人気で、女性の料理スタイルを大きく変えています。具体的な声としては、「ユーチューブで動画を見ながら楽しく家事している。35歳 会社員」「レシピを印刷しなくてよくなったので時間がない時に助かる。38歳 専業主婦」「スマホ家計簿は付けやすく、節約を心掛けるようになった34歳 会社員」「買い物リストやTO DOリストをスマホで。家事が計画的になった。45歳 パート」といったコメントが聞かれ、スマホの登場によって、女性の家事スタイルも大きく変化してきていることがわかります。

◆スマホによるライフスタイルの大変革 ⑥育児スタイル
また育児面でも変化が見られます。「離乳食のレシピを調べる」「知育アプリを使う」「しつけアプリを使う」「子供の成長日記をつける」「子供の宇健康管理に利用する」「読み聞かせアプリを使う」などスマホを活用することで「育児ストレス」が低減する効果がみられているようです。「離乳食をつくるとき、ふと疑問の思ったことを検索。本を買わなくなりました。32歳 会社員」「外出先にもっていくおもちゃ代わりになり、荷物が減って便利になった。37歳パート」「予防接接種スケジュールやちょっとした心配をすぐに調べて解決できるので、心配事が減った。30歳 主婦」「おむつ替えや授乳できる場所を検索できるので出かけやすくなった。40歳 専門職」「常に携帯しているので、子供の決定的瞬間を逃がさない。ジジババ主人に送って会話が増えた。32歳 会社員」といったように女性の育児面でのスマートフォンの登場によって大きく変化しています。

以上みてきたように2008年のスマートフォンの登場以降、私たちの生活スタイルはあらゆる面で大きく変化してきました。それによって、新たなビジネスが成長したり、これまでの需要に陰りが見えるジャンルが生まれたり、といった生活者のライフスタイルの変化以外にも、ビジネス界にも大きな影響を及ぼしていることがお分かりいただけたと思います。ですから、人々のこれから先のライフスタイルを想像し、予測していくことで大きなビジネスチャンスに出会えるチャンスが舞い込んでくるのです。


「スマホで変わる、私たち生活」では
スマホの登場によって誕生した新たなサービスも取材しました。その中でもハンドメイド作品の販売サイト「ミンネ」、スマホ向けのフリマアプリの「メルカリ」、日本初のクラウドファンディングサービス「レディーフォー」、無料通話アプリ「ライン」、ニュースアプリの「スマートニュース」など、スマートフォンの登場によって私たちの生活をがらりと変えるサービスは4年後の現在、私たちの生活になくてはならない存在にまで成長しています。

◆スマホの登場によって生まれたサービス ①ハンドメイド作品売買サイト
ハンドメイド作品の販売サイト「ミンネ」は、2012年1月にWEBサイトとしてスタート。同年10月にiPhoneアプリをリリースしました。手作り品に限定したオールジャンルの販売サイトで、現在の作家登録数は37万人。500万点の手作り作品が出品されています。サービス名の由来は事業本部がある博多の方言「~してみんね。」だそうです。ハンドメイドの作品サイトには「クリーマ」や「イイチ」もあり、スマホの登場によって、これまでになかった新しいビジネスモデルが生まれました。

◆スマホの登場によって生まれたサービス ②フリマアプリ
みなさんの中にも利用されている方も多いのではないかと思いますが、フリマアプリの「メルカリ」は2013年7月リリースと後発ながら、今や月間の流通金額が100億円以上と驚くような躍進を遂げています。私も利用者の一人ですが、商品撮影から出品、買い手とのやり取りまでスマホひとつで完結する手軽さと、支払いは事務局を経由する安心感、そして配送のしやすさが支持されている理由です。今では日本国内だけでなく、アメリカやイギリスでもサービスを展開しており、累計のダウンロード数は1億を超えています。

◆スマホの登場によって生まれたサービス ③クラウドファンディング
クラウドファンディングサービスの「レディ・フォー」がスタートしたのは2011年3月。設立者の米良はるかさんがクラウドファンディングに目をつけたのは、2009年。大学4年生の時でした。ネットによって個人がフラットにコミュニティを作り活躍する時代になった時、」何かを始める人たちが支えあう場を作りたい。そう思ったのがきっかけだったといいます。夢を実現したい実行者がSNS等のインターネットを通じて不特定多数の支援者から必要な資金を提供してもらえるようなプロジェクトをつくるサービスです。

◆スマホの登場によって生まれたサービス ④無料通話アプリ
こちらも今やなくてはならないものになりましたが、全世界の月間アクティブユーザー数は2億1,700万人以上(参照元:LINE 2017年2月-2017年9月媒体資料)国内の月間アクティブユーザー数は7,300万人以上(参照元:2017年12月期通期決算説明会)といわば空気のような存在になっているLINEの誕生は、東日本大震災後の2012年になります。震災時の経験から、

◆スマホの登場によって生まれたサービス ⑤ニュースアプリ
スマートフォンの登場により、毎日のニュースも新聞やテレビを見なくても手軽に見ることができるようになりました。スマートニュースはその先駆的な存在です。スタートは2012年、ツイッターで話題になっているニュースを元に情報を配信するのが特徴です。スマートフォンのニュースアプリの登場によって、ニュースはマスコミが流す時代から一般の人々の目を通して広がっていく時代へと移り変わってきました。

以上、スマートフォンの登場によって、私たちのライフスタイルが大きく変化してきたいくつかの事例を見てきましたが、このほかにも電子書籍の普及や電子商取引など、変化したことはいくつもあります。そして現在もIoTやAIといった先端技術の開発によって、私たちのくらしはどんどん便利になりつつあります。このように、テクノロジーの進化が私たちのライフスタイルを大きく変化させる引き金になっているのです。

つまり、これからの時代は特にテクノロジーの進化によって私たちの生活スタイルがますます大きく変化していくことが予測されます。そのためにも、自分の専門以外の情報にもアンテナを高く張っておくことが重要です。

 

 

共働き世帯、シニア世帯の増加を背景に成長する食品宅配市場

肉や魚といった生鮮食品から牛乳や調味料、豆腐やパンなど、毎日の生活に必要な食品を自宅に届けてくれる食品宅配業界が元気だ。矢野経済研究所の調べによると、2016年度の食品宅配市場規模は、前年比3.3%増の2兆782億円。縮小傾向にある食関連市場の中で数少ない有望市場といえる。

仕事と家事の両立に忙しい共働き世帯や子育て世帯で利用者が増えているほか、買い物に行きづらいシニア世帯の利用も後押ししている。同研究所の予測では2021年には2兆3985億円に成長していくとみられている。

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◆7月1日、オイシックス・ラ・大地株式会社が発足
そんな成長市場を狙って、大規模な企業再編や新規参入が相次いでいる。インターネット食品宅配大手のオイシックスは、2017年10月同業の大地を守る会と経営統合。次いで2018年2月にはNTTドコモよりらでぃっしゅぼーやの株式100%を譲渡し、2018年7月1日オイシックス・ラ・大地株式会社を発足させる。Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやのサービスブランドは継続しながら、デジタルマーケティング、生産者ネットワーク、物流面でのシナジーを構築し、高付加価値な食品宅配マーケットを牽引。今期は売上610億円を目指す。オイシックスでは、2,013年7月から展開している食材とレシピがセットになったミールキット(kitoisix)が働く女性に支持されて好調。累計出荷数は1000万セット(2018年5月)を突破し、今後はNTTドコモと共同でミールキット専用のECサイトの立ち上げを計画している。その他、買い物難民を支援する移動スーパー事業「とくし丸」(2016年5月買収)も順調に拡大しているようだ。

◆セブン&アイとアスクルのLOHACOは「IYフレッシュ」開始
一方で、セブン&アイとアスクルのLOHACOは2017年11月28日より「IYフレッシュ」開始した。家事・仕事・育児に忙しい都市部の30~40代女性をメインターゲットとし、セブン&アイの商品をアスクルの配送網で新鮮なまま毎日の食卓に届ける。ロハコの1時間単位指定配達システムを活用。14時までの注文なら翌日の9時~翌々日の22時までに配達。配達手数料は、LOHACOの商品とまとめて4500円以上で無料。4500円未満の場合は350円(税込み)。スマホで毎日の生鮮品を買い物する新たな都市型生鮮宅配を目指す

◆イオンも週1回決まった曜日に食品などを届ける定期宅配事業に参入
イオンも週1回決まった曜日に食品などを届ける定期宅配事業に参入した。サービス名は「クバリエ」。2018年4月から千葉市の1店舗で開始。年内にもう一店舗増やし、事業モデルを構築し、当面首都圏で6万人の会員獲得を目指す。当初は生鮮食品、加工食品、赤ちゃん用品、専用商品として「ミールキット」など1000品目でスタート。生協のビジネスモデルを流用し、会員には毎週紙のカタログを配布、ネットで注文してもらう。会費は無料、送料は1回あたり180円、注文なくても手数料100円を徴収する。増加する高齢者や共働き世帯対応していく。

◆センター内の商品を6温度帯に分けて適温管理する「Amazon フレッシュ」
各社にとって最も脅威となるのは「Amazon フレッシュ」だ。米国で07年スタート。その後英国、日本、ドイツへ拡大、日本では2017年4月21日スタートした。果物、鮮魚、精肉、乳製品等1万7000点以上の食料品他、キッチン商品、ペット用品等の日用雑貨合計10万点以上を取り扱う。現在の配送対象エリアは、東京都の港区、千代田区、中央区、江東区、墨田区、江戸川区の6区域(一部エリアを除く)だが、今後順次拡大していく予定だ。サービスの対象者は、Amazonプライム会員に限定。プライムの会費3900円(税込)に加え、利用する会員は月額500円(税込)が必要。「Amazonフレッシュ」を30日間無料で体験できるサービスも用意している。配送は、午前8時から深夜0時までの間、2時間ごとの配送時間帯から指定可能。注文から最短で4時間後に商品を購入者の手元に届ける。注文金額が6000円(税込)以上の場合、送料無料。注文額が6000円(税込)未満の場合、1回の注文あたり配送料が500円(税込)必要となる。強みは、センター内の商品を6温度帯に分けて【① 常温(25℃前後の室温でドライ食品など用)、② 16℃(バナナなどトロピカル系用)、③ 7℃(トマト、パプリカなどデリケートな青果専用)、④ 2~5℃(葉物野菜や和洋日配用)、⑤ 0℃(チルドの肉と魚専用)、⑥ マイナス25℃(冷凍食品やアイスクリーム、冷凍肉・魚など用)】、商品毎に適温管理をしている点だ。神奈川県川崎市の物流拠点「アマゾン川崎FC(フルフィルメントセンター)」に、「Amazonフレッシュ」で扱う商材を一括して集約・管理。専用棚を設け、鮮度を徹底管理しており、刺身のような鮮度管理が重要な消費もおいしさそのままに食卓に届けてくれる。

◆楽天は西友と組んで「楽天西友ネットスーパー」を開始予定
その他、楽天は西友が運営するネットスーパー「SEIYUドットコム」と楽天の冷凍食品宅配サービス「楽天マート」を統合して「楽天西友ネットスーパー」を立ち上げ、7~9月にサービスを開始予定だ。取り扱うのは、西友の生鮮食品など1万~1万5千点と、ネット通販の楽天市場で扱っている菓子など食品の一部。東京など16都道府県で実店舗から商品を配送するほか、千葉県柏市に年内に開設する専用の配送センターからも商品を届ける。配送料や配送時間帯は未定。主なターゲットは30~40代の兼業主婦で、半調理食品や、一つのおかずに必要なカット野菜、計量済み調味料がセットになったミールキットなど「時短ニーズ」にあった商品を充実する計画だ。

◆ローソンは宅配しない生鮮品の通販「ローソン フレッシュ ピック」で対抗
また、ローソンは、宅配しない生鮮品の通販「ローソン フレッシュ ピック」を東京と神奈川の一部地域で開始した。スマホの専用アプリで、肉や野菜など約500種類の中から商品を選択すると、配送センターに商品が集められ、おにぎりや弁当など、通常のコンビニ商品と一緒に店舗へ配送。朝8時までに注文した客は、その日の午後6時以降好きな時間に、会社や自宅近くのローソンで受け取ることが可能。2018年度中に首都圏の約2,000店舗で導入し、その後全国展開する予定だ。

乱立する食品宅配市場だが、新規顧客の拡大はもちろん、その後顧客との長い付き合いを通してLTV(ライフタイムバリュー)の拡大を目指すことが重要となってくる。そのためには、安全で安心な食品をお届けすることをベースに、各社の強みを生かした美味しさの独自性で顧客から選ばれることが大切だ。

 

共働き世帯、シニア世帯の増加を背景に成長する食品宅配市場

肉や魚といった生鮮食品から牛乳や調味料、豆腐やパンなど、毎日の生活に必要な食品を自宅に届けてくれる食品宅配業界が元気だ。矢野経済研究所の調べによると、2016年度の食品宅配市場規模は、前年比3.3%増の2兆782億円。縮小傾向にある食関連市場の中で数少ない有望市場といえる。

仕事と家事の両立に忙しい共働き世帯や子育て世帯で利用者が増えているほか、買い物に行きづらいシニア世帯の利用も後押ししている。同研究所の予測では2021年には2兆3985億円に成長していくとみられている。

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◆7月1日、オイシックス・ラ・大地株式会社が発足
そんな成長市場を狙って、大規模な企業再編や新規参入が相次いでいる。インターネット食品宅配大手のオイシックスは、2017年10月同業の大地を守る会と経営統合。次いで2018年2月にはNTTドコモよりらでぃっしゅぼーやの株式100%を譲渡し、2018年7月1日オイシックス・ラ・大地株式会社を発足させる。Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやのサービスブランドは継続しながら、デジタルマーケティング、生産者ネットワーク、物流面でのシナジーを構築し、高付加価値な食品宅配マーケットを牽引。今期は売上610億円を目指す。オイシックスでは、2,013年7月から展開している食材とレシピがセットになったミールキット(kitoisix)が働く女性に支持されて好調。累計出荷数は1000万セット(2018年5月)を突破し、今後はNTTドコモと共同でミールキット専用のECサイトの立ち上げを計画している。その他、買い物難民を支援する移動スーパー事業「とくし丸」(2016年5月買収)も順調に拡大しているようだ。

◆セブン&アイとアスクルのLOHACOは「IYフレッシュ」開始
一方で、セブン&アイとアスクルのLOHACOは2017年11月28日より「IYフレッシュ」開始した。家事・仕事・育児に忙しい都市部の30~40代女性をメインターゲットとし、セブン&アイの商品をアスクルの配送網で新鮮なまま毎日の食卓に届ける。ロハコの1時間単位指定配達システムを活用。14時までの注文なら翌日の9時~翌々日の22時までに配達。配達手数料は、LOHACOの商品とまとめて4500円以上で無料。4500円未満の場合は350円(税込み)。スマホで毎日の生鮮品を買い物する新たな都市型生鮮宅配を目指す

◆イオンも週1回決まった曜日に食品などを届ける定期宅配事業に参入
イオンも週1回決まった曜日に食品などを届ける定期宅配事業に参入した。サービス名は「クバリエ」。2018年4月から千葉市の1店舗で開始。年内にもう一店舗増やし、事業モデルを構築し、当面首都圏で6万人の会員獲得を目指す。当初は生鮮食品、加工食品、赤ちゃん用品、専用商品として「ミールキット」など1000品目でスタート。生協のビジネスモデルを流用し、会員には毎週紙のカタログを配布、ネットで注文してもらう。会費は無料、送料は1回あたり180円、注文なくても手数料100円を徴収する。増加する高齢者や共働き世帯対応していく。

◆センター内の商品を6温度帯に分けて適温管理する「Amazon フレッシュ」
各社にとって最も脅威となるのは「Amazon フレッシュ」だ。米国で07年スタート。その後英国、日本、ドイツへ拡大、日本では2017年4月21日スタートした。果物、鮮魚、精肉、乳製品等1万7000点以上の食料品他、キッチン商品、ペット用品等の日用雑貨合計10万点以上を取り扱う。現在の配送対象エリアは、東京都の港区、千代田区、中央区、江東区、墨田区、江戸川区の6区域(一部エリアを除く)だが、今後順次拡大していく予定だ。サービスの対象者は、Amazonプライム会員に限定。プライムの会費3900円(税込)に加え、利用する会員は月額500円(税込)が必要。「Amazonフレッシュ」を30日間無料で体験できるサービスも用意している。配送は、午前8時から深夜0時までの間、2時間ごとの配送時間帯から指定可能。注文から最短で4時間後に商品を購入者の手元に届ける。注文金額が6000円(税込)以上の場合、送料無料。注文額が6000円(税込)未満の場合、1回の注文あたり配送料が500円(税込)必要となる。強みは、センター内の商品を6温度帯に分けて【① 常温(25℃前後の室温でドライ食品など用)、② 16℃(バナナなどトロピカル系用)、③ 7℃(トマト、パプリカなどデリケートな青果専用)、④ 2~5℃(葉物野菜や和洋日配用)、⑤ 0℃(チルドの肉と魚専用)、⑥ マイナス25℃(冷凍食品やアイスクリーム、冷凍肉・魚など用)】、商品毎に適温管理をしている点だ。神奈川県川崎市の物流拠点「アマゾン川崎FC(フルフィルメントセンター)」に、「Amazonフレッシュ」で扱う商材を一括して集約・管理。専用棚を設け、鮮度を徹底管理しており、刺身のような鮮度管理が重要な消費もおいしさそのままに食卓に届けてくれる。

◆楽天は西友と組んで「楽天西友ネットスーパー」を開始予定
その他、楽天は西友が運営するネットスーパー「SEIYUドットコム」と楽天の冷凍食品宅配サービス「楽天マート」を統合して「楽天西友ネットスーパー」を立ち上げ、7~9月にサービスを開始予定だ。取り扱うのは、西友の生鮮食品など1万~1万5千点と、ネット通販の楽天市場で扱っている菓子など食品の一部。東京など16都道府県で実店舗から商品を配送するほか、千葉県柏市に年内に開設する専用の配送センターからも商品を届ける。配送料や配送時間帯は未定。主なターゲットは30~40代の兼業主婦で、半調理食品や、一つのおかずに必要なカット野菜、計量済み調味料がセットになったミールキットなど「時短ニーズ」にあった商品を充実する計画だ。

◆ローソンは宅配しない生鮮品の通販「ローソン フレッシュ ピック」で対抗
また、ローソンは、宅配しない生鮮品の通販「ローソン フレッシュ ピック」を東京と神奈川の一部地域で開始した。スマホの専用アプリで、肉や野菜など約500種類の中から商品を選択すると、配送センターに商品が集められ、おにぎりや弁当など、通常のコンビニ商品と一緒に店舗へ配送。朝8時までに注文した客は、その日の午後6時以降好きな時間に、会社や自宅近くのローソンで受け取ることが可能。2018年度中に首都圏の約2,000店舗で導入し、その後全国展開する予定だ。

乱立する食品宅配市場だが、新規顧客の拡大はもちろん、その後顧客との長い付き合いを通してLTV(ライフタイムバリュー)の拡大を目指すことが重要となってくる。そのためには、安全で安心な食品をお届けすることをベースに、各社の強みを生かした美味しさの独自性で顧客から選ばれることが大切だ。

 

共働き世帯の増加を背景に、中食市場は10兆円を突破。

弁当、レトルト食品、調理済み冷凍食品、総菜といった「中食」に対する支出が増加している。日本総菜協会が発表した「2018年度版総菜白書」によると、2017年の中食市場は前年より2.2%伸びて10兆555億円と初めて10兆円を突破。10年前と比較すると123%の成長ぶりだ。織物・衣服10兆8000億円 医薬品10兆5千億円に迫る勢いで、外食市場25兆円の3分の1を超える市場に拡大してきている。

背景にあるのは、共働き世帯の増加による時短家事ニーズの高まりだ。内閣府が発表している男女共同参画白書によると2016年の共働き世帯数は1129万世帯。1980年と比較すると約1.8倍の増加となり、今後も増えていくことが予測される。また厚生労働省が発表している2016年国民生活基礎調査によると、18歳未満の児童を持つ母親が働いている比率は67.2%、約7割の母親が子育てしながら働いていることがわかる。一方で高齢者世帯や一人暮らし世帯の増加も、中食市場の成長を後押ししている。

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男女共同参画白書(概要版) 平成29年版より

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平成28年国民生活基礎調査より

これを受けて、総菜各社の売上も好調だ。RF1(アールエフワン)ブランドで持ち帰り総菜を展開するロック・フィールドの2018年4月期の売上は前年比3%増の522億円。また柿安ダイニングを展開する柿安本店の2018年2月期の売上は前年比1%増の439億円と過去最高だ。ロック・フィールドはパック詰めのサラダや総菜など加工済み商品の供給能力を高める。神戸市の工場を増床し、8月をめどに生産能力を前年比で2倍にする。静岡県磐田市の工場にサラダ用野菜の研究施設を設け、5月に一部の運用を始めるなど、商品開発にも力を入れる。

コンビニ・食品スーパーの総菜売り上げも増加している。2016年の売上を見るとコンビニは5.0%増、食品スーパーは3.6%増とどちらも好調だ。ローソンでは、店内調理の弁当や総菜を提供する店舗を18年度末までに4割増の6000店に増設。ファミリーマートでも、協力工場と組み、20年2月期までに累計350億円を投資して中食の生産体制を強化するなど、付加価値の高い総菜の開発や出来立て総菜の提供時間延長などの取組みを強化する動きが活発化している。一方でこのところコンビの客を奪っているドラッグストア業界でも24時間弁当や総菜を提供するなどで売上を伸ばしている企業が増加。中食を巡る戦いは、さらに激しさを増しそうだ。

働く女性が増え可処分所得が増えていくことで、毎日の食に対するニーズはさらに高度化していく。時間を節約して簡単に食事を済ませたいというニーズがある一方で、たまには贅沢して日頃のストレスを解消したい。中食でも家庭料理と同じような母親の味を楽しみたい。健康を維持できる総菜が欲しいなど、高度化する食のニーズに応えていくことがますます重要になってくる。

高級食パンブームに見る日常のしあわせ志向。

以前のブログでもご紹介したが、6月1日に阪神百貨店梅田本店建て替え第一期棟がオープンした。リニューアルの目玉は何といっても食フロアの充実だ。その核となっているのが「パンマルシェ」と呼ばれるパン売り場の品揃え。毎日約15の食パンが登場する食パンのセレクトショップや週替わりで7ブランドが登場するパンイベントなど、珍しくておいしいパンが主役になっている。

食パンといえばこのところ高級な生食パンがブームになっている。その火付け役のひとつが「乃が美(のがみ)」の食パンだ。2013年に大阪上本町に総本店をオープン。それ以来、行列ができるほどの大人気店になり、2016年には「パン・オブ・ザ・イヤー 食パン部門」(パンスタ主催)で金賞を受賞。現在、全国各地に93店舗展開し、2018年には47都道府県すべてに出店を予定している。

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開発までに2年かかったといわれるこだわりの素材と製法による耳まで柔らかい食感は、一度食べると思わずファンになってしまう。とわいえ、1芹432円(税込)、2芹864円(税込)という価格は毎日食べるには少々高い。いわゆるプチ贅沢な食パンとして月に2~3度買い求める客が多いのではないかと思われる。私もそんな消費者の一人だ。

高級生食パンブームを追い風に、飲食店を運営するオーネスティグループは6月30日、新食パン専門店「考えた人すごいわ」を東京都清瀬市にオープンする。厳選素材と独自製法、コンベクションオーブンにこだわり、トーストせずそのまま食べても美味しい口どけと味に仕上げた。商品は、プレーンの“魂仕込み(こんじこみ)”(2斤サイズ864円/税込)、マスカットレーズン入りの“宝石箱”(同980円/税込)の2種類。「魂仕込み」は、厳選した小麦、国産バター、そして岩手県のだ塩などこだわりの素材を使って、きめ細かな口どけの良さを実現。「宝石箱」は、オーストラリアのサンマスカットレーズンをふんだんに使用。芳醇でフルーティーなレーズンにあわせて、岩手産のたのはた牛乳、国産のバターをセレクト。カットすると、宝石のように食パンの中からレーズンがキラキラと輝くそうだ。

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「考えた人すごいわ」という店名は、食パンを食べた人に「これ考えた人すごいわ」と思ってもらえるような店づくりを目指したことが由来、というから開発者の自信が伺える。

焼き立てのパンには、私たちをしあわせな気分にする魔力のようなものが潜んでいる。たかが食パン、されど食パン。美味しい食パンで日本の朝が笑顔になると素敵だと思う。

インスタの動画参入でますます注目される「インフルエンサーマーケティング」。

写真共有サイト、インスタグラムがユーチューブに対抗する動画サービスを発表した。デジタルコンテンツ協会の調べによると2017年度の動画配信市場は16年比13%増の1850億円。スマホで動画を見るユーザーは確実に増加している。

一方で、次世代通信方式5Gの 商用化が2020年をメドに進められている。実現すれば、現行の4Gより約100倍の高速大容量通信が可能になる。これを見越してスマートフォンキャリア各社は一人当たりの通信料や単価引き上げにつながる動画を取り込む動きが活発化している。

今回インスタグラムが提供する「IGTV」と名付けた新サービスはインスタ上に最大60分の動画を誰もが投稿できるというもので、ユーチューブと似ている。動画はスマートフォンを握ったままでも見やすいよう縦型の画面に対応しているが、こちらも国内では C Channelがすでに先行しており、新しさは感じない。

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インスタグラムの親会社フェイスブックは、このところユーザーの高齢化とともにネット広告離れに拍車がかかっている。一方で、世界で10億人ユーザーを抱えるインスタグラムには、写真投稿だけで大量のフォロワーを抱えるインフルエンサーがいる。こうした人たちはアパレル企業らと契約し商品の広告塔役を果たしていることも多く、今や広告主企業にとってインフルエンサーを活用したマーケティングが常識になっている。

ユーザー自らがインフルエンサーの投稿を見に行くので、広告としてブロックもされにくい。フェイスブックはインスタグラムが写真で築き上げた新たな広告領域を動画にまで広げたい考えだ。

また、インスタグラムは10代20代の若いユーザーや女性の利用比率が高い。インフルエンサーから発信された情報は、共感されると瞬く間に拡散され消費行動にも影響を及ぼす。今後は、インスタグラム動画を活用したインフルエンサーマーケティングにいち早く取り組んでいきたい。